二年振りの尾瀬 其之伍

3日目の朝、尾瀬ヶ原には朝靄が立ち込めていた。

朝靄はその日が好天になる証。
って、前にも書いたっけ。

ほら、イイ天気!
今日は山の鼻まで戻るので、幕を日向に干して荷物をパッキングする。

バッタの幼生も葉っぱの上で朝日を浴びてる。

トノサマバッタだかイナゴだか分からんが
これがホントの「虫干し」ってヤツか!(笑
では山の鼻に戻るとする。

あっ、違う違う、こっちじゃない。
帰りはヨッピ吊橋経由で。

林に入る手前の木道上でネズミが息絶えていた。

何故死んだのか?
何故こんな所に横たわっているのか?
このネズミの身に何が起きたのか、あれこれ
考えてはみたが答えは出なかった。
しかし、下界のネズミと比べたらよっぽど幸せだろう。
人間の手によって捕らえられ、害獣として
抹殺された訳ではないのだから。
しかも場所は尾瀬だ。
俺もどうせ死ぬんなら、尾瀬で死にたい。
このネズミに嫉妬した。

枝振りの良い木でも探すか。
でも、こんな所で死んだら沢山の人に迷惑掛かるだろなぁ。
とか考えてたら橋が見えた。

おお、新潟か!

橋の名前にまで「東電」付けなくてもいいんじゃないの?
いくら土地の所有・管理者とは言え。

まぁ、そんな事はどうでもいいんですけどね。

この水があの三条の滝を流れ落ち、やがて奥只見湖へと注がれる。

間もなく東電小屋。

今回もグラナイトギアのニンバストレースにPAAGOのチェストバッグ。
ミステリーランチのザックも買ってあるんだけど出番ないなぁ(笑

トレッキングポールはブラックダイアモンドの
トレイルショックからレキのSPDサーモライトXLに新調した。
去年使うつもりで買ったので、1年以上家で寝かせてしまったが
コッチはやっと出番が来た。
何故換えたのか、それはまた別の機会にでも。
東電小屋すぐ下。

この辺のミズバショウは尾瀬内の他の所より遅れているのか
終盤という様子ではないし、花も小振りでまだまだ瑞々しく
とても良い感じだった。
野の花はその時が来れば思う存分に咲く事が出来るが
俺は一度も咲く事無く一生を終えそうだ。

こっち側の道はツアーの団体客なんぞおらず、人通りもまばらでとても静か。

周囲を拠水林と山裾の林にグルッと囲まれた草原は
まるでそこだけ独立したような、まるで大きな広場のような
余り上手く表現出来ないが、何となく不思議にも思える空間だったが
カッコウやウグイスなど鳥の鳴き声が聞こえとても長閑で素敵な雰囲気だ。
景鶴山(けいずるやま)

ヨッピ川に掛けられた吊橋だから

ヨッピ吊橋。単純明快。

冬季は雪の重みで負荷が掛かるから、踏板を外してしまうらしい。

やぁ

竜宮には寄らず、このまま牛首へ。

モフモフ!

(;´Д`)ハァハァ

ヤマドリゼンマイの群落

うーーーーーん、食べてみたい!(笑

池塘がたくさんあったので逆さ燧を狙うも
やはり風のせいで綺麗には映らなかった。

尾瀬の池塘には浮島があるらしい。
でも、どれがそれなのか、よく分からない。

牛首分岐まで来るとやはり人が多い。
ザックを担いだままベンチに座って休んでいると、誰かが声を上げた。
指差す方をよく見ると池塘の向こう側で、胴の長い茶色い生き物が
跳ねるように動いていた。
「えっ、何? オコジョ?」とか言うもんだから
「オコジョはもっと小さいですよ」と告げた。
遠かったからハッキリ見えなかったけど恐らくテンなんだろうね。
その後、ウジャウジャ居る団体客にウンザリしながら山の鼻まで戻った。
つづく

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