森への入口 其之壱
秘密の花園かに思えたその場所は、花など咲いておらず
単に深い森への入口だったのかもしれない。
「連休に出掛けるとロクな目に遭わない」
前回、お盆のキャンプで得た教訓だが、場所さえ吟味すればそういうこともあるまいと
以前から気になっていた場所に向かった。
車の調子が今ひとつなので、高速道路は使わずにノンビリ下道。
大して迷うこともなく、方向音痴気味の自分としては割とスムーズに到着。
ここは山の中にある小さな無料キャンプ場。
入り口のすぐ横にそびえ立つ大木が訪れる者を迎えてくれる。
携帯電話は圏外だが思っていたより奥深い所でもなく、ここまでの道は途中細いながらも全て舗装道路。
大木の横を通り中に入るとそこは鬱蒼とした林で、すぐ脇には清らかな水が音を立てて流れている。
空は木々の葉で覆われ日射しがあまり届かず、辺り一帯は昼間でも薄暗くジメジメしている。
そのせいか立木の根元や地中から顔を出した岩の表面など、そこらじゅう苔生している。
また、場内には何本かの蔓性の木がくねくねと曲がりながら他の木に巻き着き
あるいは自分達同士で絡み合いながら生えており、薄暗い林の中で異様な雰囲気を醸し出している。
このキャンプ場には木製のベンチとテーブル、そしてコンクリートと煉瓦で出来た竃が備え付けてある。
ベンチとテーブルには苔が生えて朽ち始め、利用者が多くない事を物語っているかのようだ。
殆どの竃には消し炭がそのまま放置され、雨で流れ出したのか周辺に散らばっている。
備え付けの竃以外にも石で組んだ竃が幾つかあり同様に放置されている。
他にキャンプ場としての設備はトイレと炊事場のみ。
トイレは大小一つずつで小便器は水が出ない。どちらとも照明無しなので夜は真っ暗。
場内にも照明らしい物は見当たらず、付近の道路にも街灯は無い。
炊事場は見た目立派だが、4つあるはずの蛇口のうち2つは取れて無くなっている。水は飲用不可。
テントを張るのに適した広さで地面が平らな場所はホンの数カ所。
前日に雨が降ったのか地面は濡れている。
ここへ到着した時には車が1台停まっていて、年配の夫婦らしき男女がキノコか何か探しながら
歩き回っていたが、いつの間にか立ち去っていた。
近くにはオートキャンプ場があり、たくさんのテントやタープが張られ賑わっている様子だったが
ここでキャンプしている人は一人もいない。
確かに穴場的な場所ではあるが、想像していたよりも魅力的ではない気がした。
正直、ここにテントを張るかどうか迷っていた。
取り敢えず場所は確認した。
この近くに寄ってみたい所があったので、そこへ向かって移動開始。
つづく
この記事へのコメント
なんかすごく先が気になる引きですねぇ(笑)
自分的には少し怖い感じがしてバディならアリですが、ソロなら夜中にちょっと逃げたくなるかも(^^;)
こけで朽ちていくテーブルとか、色々な意味で迫力ありますね。
自分的には少し怖い感じがしてバディならアリですが、ソロなら夜中にちょっと逃げたくなるかも(^^;)
こけで朽ちていくテーブルとか、色々な意味で迫力ありますね。
Takaさん
ここはネットでも詳細な情報があんまり無い所だったんですよ。
でも、最近ブログで紹介されているのを偶然見まして
良さそうなとこだと確信し、喜び勇んで行ってみたという訳です。
怖い感じします?
人によっても感じ方は違うかもしれませんが私は・・・
ここはネットでも詳細な情報があんまり無い所だったんですよ。
でも、最近ブログで紹介されているのを偶然見まして
良さそうなとこだと確信し、喜び勇んで行ってみたという訳です。
怖い感じします?
人によっても感じ方は違うかもしれませんが私は・・・
自分的には(^_^;)
昔から、なんかキャンプ場でないところに野営すると、
「あそこは出るんだよ」
って後で聞かされたりする変なくじ運を持ってるんで(笑)
昔から、なんかキャンプ場でないところに野営すると、
「あそこは出るんだよ」
って後で聞かされたりする変なくじ運を持ってるんで(笑)
Takaさん
> 「あそこは出るんだよ」って後で聞かされたりする
もしかして気付かぬうちに引き寄せられてしまうんでしょうかねぇ?
あ、そんなTakaさんが感じてしまうということは、ひよっとすると
ここも・・・((((;゚Д゚)))
> 「あそこは出るんだよ」って後で聞かされたりする
もしかして気付かぬうちに引き寄せられてしまうんでしょうかねぇ?
あ、そんなTakaさんが感じてしまうということは、ひよっとすると
ここも・・・((((;゚Д゚)))