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残雪の燧ヶ岳とアクシデント

   

昨年のGW、至仏山頂から見た尾瀬ヶ原と燧ヶ岳
残雪の燧ヶ岳とアクシデント

尾瀬に行く度、燧ヶ岳が気になっていた。







登ってはみたいが肉体的に自信がない。

そう思い、見上げるだけに留めていた。



しかし、昨年残雪の至仏山に登った後暫くして、燧ヶ岳にも登ってみたいという思いが

またムクムクと頭をもたげ始めた。

夏にその姿を間近から見上げ、年を越し、冬が終わりを告げるとその思いは更に強くなった。

これはもう行くしかない、ダメならダメで途中で引き返せばいいのだから。



ボチボチと準備を進めながら山の天気を窺ってはいたものの、GW初日と2日目の好天を逃してしまった。

ヤマップの活動記録で澄み渡る空に浮かぶ燧ヶ岳の姿を見て、こりゃマズッた、行けば良かったと

悔やみつつ、次のチャンスを逃すまいと天気予報と睨めっこしながら幾日を過ごしたが

元号が変わった辺りから週間予報に天候回復の兆しが見えて来たので

直前で悪天に変わらぬことを願いながら決行の日を定めた。



昨年の至仏山は大苦戦だった。

山ノ鼻に下りてテント泊する為、その分の重い装備を担いで登ったのが要因の1つであったのは明白だったので

今回はテント泊無しの日帰り登山とする。それに加え、同様に至仏山の時の反省を踏まえ

登山口である御池駐車場へ前乗りし、車中1泊にて当日の体力を出来るだけ温存しようという算段だ。

あまり早く御池に着いてもどうせ時間を持て余すだろうから、夕方ぐらいに着けばいいや、ってな頃合いで

自宅を出発したのだが、肝心なことを忘れていた。

そう、GWの真っ只中なのである。しかも自宅のある町は観光地で、たくさんの人が訪れる場所なのだ。

通常の何倍もの時間をかけて地元を脱出し高速道に乗り、それ以降は塩原温泉でちょっと混んだ程度で

割とスムーズに桧枝岐村まで来れたが、目的地まであと一息というあたりで暗くなり始めた。

夕方ぐらいに着けばいいや、とは思っていたが、正直暗くなる前には着きたかった。



少し焦っていたのかもしれない。

七入キャンプ場を過ぎ、これを上がれば御池駐車場という山道に入って間もなくそれは起きた。











相手はすぐに立ち上がって山の中へ走り去った。怪我などしていなければ良いのだが・・・ゴメンよ・・・。



エアバッグは作動しなかった。路肩に余裕のある所で車を停め、フロント部分を確認。

凹んでいる感じなのは分かったがハッキリとは見えない。

取り敢えずさっさと御池まで上がってしまおうと再び車を走らせた。

駐車場に入れた車をフラッシュライトで照らして確認した所、バンパー左周辺が潰れ、ライト類2つが

点かなくなってはいたが、メインのヘッドライトとウインカーは無事で走行不能の状態ではない。

まぁ、不幸中の幸いと言った所だが、修理代は10万じゃ済まないだろなぁ・・・

相手のその後を半分妄想気味に思い巡らせると、とても申し訳ない気持ちにはなるのだが

今更自分にどうこう出来る問題ではないので諦め、翌日に備え飯食って寝た。



翌朝大分早い時間に目を覚ましたが、その時点でもう既に身支度を整え出発する登山者がいるようだった。

トイレへの行き帰りにそんな人達を横目で見ながら心の中で迷っていた。

自分は縁起を担ぐようなタイプではないが、前日あんな事があったのはとても幸先悪い気がしていたからだ。

迷いながらも取り敢えず飯食って自分も準備を始めた。



残雪の燧ヶ岳とアクシデント



「折角ここまで来たんだから」というのがトラブルの引き金に成る場合があるのは分かってはいた。

しかし、挑むこともなくこのまま引き下がる訳には行かないという気持ちの方が優ってしまった。



当初遅くとも朝6時にはスタートしたいと思っていたものの、迷ったせいか1時間以上出遅れる。

多くの人がもう出発してしまった後で、これから行こうとする人はまばら。

駐車場の奥左側から、これまでに数回使った10本爪アイゼンではなく、今回の為に用意した

12本爪セミワンタッチアイゼンを装着して歩き出す。



残雪の燧ヶ岳とアクシデント



木々の間を通り雪の上を緩やかに上がって行くと、間も無く最初の急な斜面が見えて来た。

雪面は踏み跡でボコボコに荒れているが、まだ朝のうちなのでそれほど気温は上がっておらず

程よい硬さを保っていてズルッと滑るようなことはない。

斜面のすぐ下まで来て上を見上げると、遠くから見るよりも勾配が強いのがハッキリ分かった。



「ゲェ~、これを上らなきゃならんのか」



息が上がる。

足が棒になる。

キツイ・・・



ノッケからこれでは先が思いやられる。というか無理だろう。

何かの拍子に前屈みになった所、腰に激痛が走って体が"ビクン!"となった。



「やっぱダメだ、俺には無理だ。もう引き返そう・・・」



そう思って今来た御池駐車場の方へ振り向き、暫し立ち尽くした。



残雪の燧ヶ岳とアクシデント



でも、こんな早々にギブアップするのは悔しい。

戻る時間のことも考えて、取り敢えず行ける所まで行ってみよう。

己を騙し騙し進み、急斜面を上がりきると開けた場所に出た。



広沢田代
残雪の燧ヶ岳とアクシデント



雪の上にテントウムシ 去年の至仏にもいたっけ
残雪の燧ヶ岳とアクシデント



振り向くと会津駒ケ岳方面
残雪の燧ヶ岳とアクシデント



広沢田代から熊沢田代への登り途中で勾配がかなり強くなる。

最初のうちは先行者が刻んだステップを借りていたが、気温も上がってきたせいか雪も緩み出し

踏み出した足がズルズル滑るのでスノーシューに履き替えてみたところ、面積が大きい分

荷重が分散されるのかアイゼンほどは滑らずに歩けた。



熊沢田代手前
残雪の燧ヶ岳とアクシデント



この辺りまで来ると幾分体が馴れ出したのか、引き返そうとは余り思わなくなって来た。



会津駒ケ岳方面 さっきより高度が上がったのが良く分かる
残雪の燧ヶ岳とアクシデント



御覧の通りの晴天なので陽射し強烈、至仏の時ほどではないが汗かくくらい暑い。

折角買った日焼け止めを塗るの忘れた、しかも車に置き忘れ。



熊沢田代へ少し下る
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樹林帯を抜け、そろそろ森林限界
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残雪の燧ヶ岳とアクシデント



残雪の燧ヶ岳とアクシデント



残雪の燧ヶ岳とアクシデント



右の岩場がピークかと思ったら違った
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残雪の燧ヶ岳とアクシデント



ピーク付近が見えて来た
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なんとか俎嵓に到着
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途中で諦めなくて良かった
残雪の燧ヶ岳とアクシデント



残雪の燧ヶ岳とアクシデント



尾瀬沼方面
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柴安嵓、尾瀬ヶ原、至仏山
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行ければ柴安嵓まで行きたいとピッケルもザックに括り付けて来たが体力的・時間的に諦めた。



残雪の燧ヶ岳とアクシデント



新潟方面
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残雪の燧ヶ岳とアクシデント



会津駒ケ岳方面
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カップヌードル用のお湯を沸かした後、ハイドレの水残量を確認したら僅かになってしまってた。

下山途中で飲み水が無くなると困るのでコーヒー淹れるのは諦めた。



残雪の燧ヶ岳とアクシデント



下山時はアイゼン装着。

山頂から一段下への短い急斜面はシリセードの跡があったので自分も同様に。

面倒だったのでアイゼンは外さなかったが、至仏山でシリセード中に足を折った人がいた事を

事前に知っていたので慎重に滑り降りたところ思ったほどスピードは出なかった。

ザックに括り付けたスノーシュー下部が雪面に触れてブレーキになっていたようだ。



急勾配に怖さを感じる所もあったが、思い切って踵を雪面に突き刺すように歩くと割と快調に下りられた。

それでもたまにズルッと行き、意図せずシリセードになってしまうことが三度ほど。

一度はそろそろ樹林帯という辺りで、自分の意思では止まれずそのまま立木に激突するかと思ったが

徐々に速度が緩み、木の根元に開いた浅めのツリーホールにゆっくり落ちて事なきを得た。

まぁ、言うなればプチ滑落なのだが・・・。

広沢田代を過ぎた辺りでもうヨレヨレのヘロヘロだったが、怪我もなくなんとか無事に

御池駐車場まで帰り着くことが出来た。



駐車場で暫し休憩し、下へ降りて燧の湯でひとっ風呂浴びて車を猪苗代に向けて走らせた。

車の中で一夜を明かし、翌日は裏磐梯にてこんな事を。










シーズン終了2日前のゲレンデにて約20年振りのスキー。



残雪の燧ヶ岳とアクシデント



久し振りだし、前日の登山で足が疲れてたので当然こうなった。



残雪の燧ヶ岳とアクシデント



雪質はアレだけど、やっぱスキーって楽しい。早く次のシーズン来ないかな♪



この後も行ければ移動・車中泊しながら西吾妻山、安達太良山あたり・・・なんて考えてたけど

おっさんの体力ではここまでが限界だったので大人しく帰宅した。



おわり





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この記事へのコメント
こんにちは

鹿の件はあの場合、どうにも避けられないですね、、、
走って逃げているので脚は大丈夫ですかね?

燧ケ岳はこんなに残雪があるんですね
自分はヘタレなので燧の湯が、精一杯ですが
こう言う事にもチャレンジしてみたいです!

hiro155hiro155
2019年05月20日 07:46
hiro155さん
 
 まさかあんなことが起こるとは思ってもみませんでした
 ドラレコ映像で見る限り脚は折れてなさそうですが
 車が凹むくらいの衝撃だったのでそれなりのダメージは与えてしまったかも・・・
 その後の無事を願うばかりです
 
 檜枝岐に近付くにつれ、溶け残った山の雪も多くなり
 御池から上はもう別世界でした
 厳冬期はちょっとハードル高いですが、私のような初心者でも
 時期と場所を選べば割と簡単に別世界へ行けますよw
 

DancinghorseDancinghorse
2019年05月20日 11:40
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