このクソ暑い連休の最中、どこへ行っても人が多いのは目に見えている。
4日間貰った休みのうちの半分を無駄に費やした後、朝目覚めて窓の外を見ると
その日もまた雲ひとつない空が広がっていた。
「ああ、やっぱりもったいねー!」
直前まで迷ってはいたが、決断に至らしめたのはとあるアイテムの存在である。
ビニールに包まれたままのそれを手に取り、暫し思い悩む。
すると・・・
「これ、最近買ったばっかりのヤツだろ?」
「早く使ってみたいだろ?」
「ほれ、空は真っ青だぞ?」
どこからともなくそんな囁きが聞こえたような気がして、思わず包みのビニールを破った。
最悪の場合、そのまま引き返せばいいやと思っていた。
受付へ行く前に車を降り、歩いて場内の様子を伺う。
人はそれなりに居るようだが、テントは数えるくらいしか張られていない。
これなら大丈夫そうだと受付を済ませ、お気に入りの場所を確保した。
早速設営を開始。
分かっちゃいたがやはり暑い。前回よりも多く汗が吹き出す。
ニューアイテムのセッティングに少し手間取ってしまい、暑さが更に堪える。
んでもって場内やけに賑やかである。いや、賑やかというか騒がしい。
ニューアイテムは緑のお屋根、Hilleberg タープ10 エクスペディション。
写真を撮って気が付いた、シームが横方向に・・・。しかし、もう張り直す元気はナシ。
設営後に昼飯を食うつもりだったが、食欲も湧かないぐらい暑くてグッタリ。
騒がしさで気分も萎え気味。この時点でちょっと後悔していた。
暫くの間、タープ下で氷をたっぷり入れたコーラをグビグビ飲んで休むも汗は止まらず。
「ええい、こうなったらアレしか方法は無い!」と、着ていた物を全て脱ぎ捨て全裸になり
川へ飛び込み・・・・・って、流石にそれは出来ないので脚だけ水に浸かることにした。
川の中をジャブジャブ歩くのなんて何年ぶりだろう。
子供の頃は近所の川でよくやってたんだけどなぁ。
川の水は長時間浸かっていられないほど冷たいという訳でもないが、流石にヒンヤリ気持ちがいい。
相変わらず陽は燦々と降り注ぐが、流れる水の上の空気は爽やかである。
先月来た時よりも水量が多く、小さなヒマワリが咲いていた所は中州になっていた。
辺りをよく見ながら川の中を歩き回ったが、あの黄色い花を見つけることは出来なかった。
かなり汗も引いてきたのでサイトへ戻る。やっぱり騒がしい。
盆休みであることは重々承知、ある程度の覚悟はして来た。
しかし、あまり気にしないようにと思っても実際耳障りなのである。
更に気分は萎え、何もする気力が起きないので頭をテントに突っ込み不貞寝しようとするも眠れず。
「こっちじゃなくて、隣のキャンプ場にすれば良かったなぁ・・・」
いつもならゆっくり時間が過ぎればいいのに、いや、むしろ時間が止まればいいのにとさえ思うのだが
今日ばかりは早く時間が過ぎて欲しいと願ってしまった。
そしてハッと気が付いた。自分が「夏の虫」であるという事に。
つづく
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