「さて、どこに行こうか・・・」
昼過ぎにキャンプ場をあとにした。このまま家へ帰るのは勿体ない。
キャンプも勿論楽しみだが、キャンプ帰りの寄り道も楽しみであったりする。
この辺りは温泉が幾つかある。
普通の人ならひとっ風呂浴びて帰るんだろうが、風呂好きでもないし温泉には興味無い。
キャンプの余韻を打ち消さず、尚且つ人が少なくて気分の良いところ。
ということで必然的に野山や水辺になる。
取り敢えず昨日通って来た国道を戻る。
暫く走ってから思い出す。「この先に登山道入り口って看板が出てたっけ。」
登山するつもりではない、第一そんな装備もない。車で行けるとこまで行ってみようか。
看板に従い脇道へ入る。先へ進むと段々道が細くなる。
道が二手に別れている。左へ行くと登山口、右は分からない。
登山口はすぐ先のようだ、あっけなく辿り着いても面白くない。
まだまだ時間はタップリある。停車して考える。
地図を見ると右の道は山の中を通って、さっきまで走っていた国道の先に出られるようだ。
右を選ぶ。
鋪装はしてあるが車2台すれ違うのは無理な道幅、所々に待避所がある。
鬱蒼とした木々の中を左右にクネクネ曲がりながら登り坂が続く。どんどん進む。
結構山の上の方まで登って来たようだ。
「これから下りになるのかな」と思った所で更に山の上へ行けそうな脇道。
無論、脇道を選択。少し登ると看板と共に分かれ道。
横手にコンクリで固めた階段があるので、車を降り歩いて登ってみる。
階段の上は山へと続く道。どんどん先へ行ってみたくなる衝動を抑え途中で引き返す。
階段を下り、今度は別れた道の方へ。
奥へ進むと何やら駐車場。立派な公衆トイレまである。
「何だ、観光名所だったのか」
そこは「つつじ」が沢山植えられた丘、その地の名前にもなっている。
更に高い所へ続く道を歩いて登ると展望台。
あいにく空は雲に覆われてしまったが良い眺め。
こんな場所があるとは知らなかった。暫し景色に見とれる。
「さて、そろそろ下りようか」と思った時、展望台の後ろに小さな祠があるのに気付く。
賽銭を置き、手を合わせ初詣とする。
「今年一年、良い年でありますように」
おわり