それは唐突に(最終回)

Dancinghorse

2007年10月02日 13:16

飯は食った。さて、何するか。

何もする事が無い。
キャンプ自体が目的で、まだアレをしたいコレをしたいというのは無い。
燃料の残ったアルコールバーナーに火を点けボーッと眺める。数分で燃え尽きる。
まだ赤みの残った炭を弄る。炭の欠片が灰になるにつれ夜も更ける。

いくらか周囲も静かになってきたので、ランタンの灯を落とし
テントに入り眠ろうとするがまだ暑い。
奥の方のサイトから時折話し声も聞こえる。
またもや眠れず悶々とする。うつらうつらしては目が覚める。
それを何度か繰り返すと、ようやく涼しくなりシュラフに潜り込む。
すんなり寝付く事が出来るならば、床に就いてから眠りに落ちるまでの間が至福の絶頂。

朝早く目覚める。
テントの入り口を開けると清々しい景色が広がる。空気も澄んでいる。
昨夜悶々としたのが嘘のように爽やかだ。
まだ周囲は静けさを保っているので、シュラフに潜ったまま暫し景色を眺める。
もう一日、この爽やかさを味わいたいが、今日帰らなくてはならない。実に名残惜しい。

インスタントでも美味しく感じるコーヒーを飲み終え、道具を片付ける。
テントを撤収し再度車に積み込む。サイトを整え、受付に挨拶をし
後ろ髪引かれる思いでゲートを出る。

このまま帰路に立つのも勿体無いので、もう一か所候補にしていたキャンプ場を下見するため
山の裏側へと車を走らせる。
ここも湖畔だが湖水面より遥かに高い場所にあり眺めも良い。



「うん、次に来る時は此処にしよう」

こうしてキャンプ再デビューを果たした。
無計画で唐突ではあったが、それもソロキャンプの強みだろうか。
きちんと計画、予定を立てて出掛ける人が殆どだろうが、自分の場合
無計画的な方が向いている気がする。

二週間前の出来事を書いている今、またウズウズが始まった。

おわり


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