■いよいよ火起こし。
火種受けの上に錐を擦り付ける板を置き、動いてしまわないよう足で踏み付ける。
火種が出来たらスムーズに火起こし作業が出来るよう、すぐ傍に火口を置いておく。
錐に弓の弦を巻き付けて板に当て、上端は手に握った錐押さえで押さえる。
弓を前後に押し引きして錐を回転させ板を擦る。
錐を押さえる側の腕は同じ側の膝を抱えるようにして脚に密着させると安定する。
擦り始めると最初は茶褐色の木屑が出てくる。そのまま続けていると焦げ臭い匂いと共に
煙も少しずつ出てくる。
最初から全力で擦るのではなく、茶褐色の木屑がある程度出てから錐を押さえる力を強め
弓の動きを速くすると良いようだ。
力を強めて擦り、そろそろラストスパートというところで問題発生。
最初板に付けた凹みの位置が悪かったのか、切り欠きが大き過ぎたのか、錐の先端が横にズレて
板から外れてしまうようになった。
仕方なしに隣へもう一度凹みを付け直し、錐で少し擦ってから前よりも狭く切り欠きを入れた。
作業再開。細かい木屑の色が黒っぽくなり、煙がたくさん出てきたら着火の目安。
錐を擦る作業をやめ、火種受けに溜まった木屑に静かに息を吹きかけてみて
赤く燃えるようならば着火成功。
火種を火口の上に乗せ換え、静かに息を吹きかけて燃え具合を大きくする。
(乗せ換える手間を省く為に最初から板の下、切り欠き部分に火口を敷いておいても良いかもしれない)
火口に水分が残っていると、この時点で火種は燃え尽きてしまう。
火が火口に燃え移り始めたら吹きかける息を徐々に強くし炎を立ち上がらせる。
火起こし成功。
当然の事ではあるが、この程度の火口の量ではすぐに燃え尽きてしまうので、焚火などに使う場合は
着火してから慌てなくても済むよう、火起こしの鉄則に則り事前にセッティングをしておく必要がある。
今回の火起こしに使用したボウ・ドリル(弓錐)の各パーツや火口は、材質・大きさ・形状に於いて
ベストであるとは到底言えない代物で、手順にしても同様の事が言える。
他にも様々なパターンが考えられるので、色々と試してみる価値がありそうだ。
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