ウズウズが始まったものの、なかなかキャンプに行くタイミングが掴めない。
仕事、天気・・・。
特に天気は「女心と秋の空」、天気予報なんてアテにならない。
雨と分かっていてキャンプに行く根性はまだ無い。
この鬱憤を晴らすべくドライブに出掛けた。アテも無く。
毎度の無計画、取り敢えず北に向かう。
とある河畔のキャンプ場でも見て来ようかなと思い、付近まで行くが入り口の道を見つけられず。
来た道を戻るのも何なので先へ進む。段々と道が細くなる。
クネクネ昇り坂と思ったら山道。隣の県名が書かれた看板。
県境を超えてしまった。
山道というのは何度通ってもワクワクする。
鬱蒼とした木々に包まれ薄暗い細くクネクネした道、そして岩肌にみっしり生えた苔。
なんとも言えない雰囲気だ。
山を降りると来た道へ続く国道。小さな蕎麦屋発見。
天ぷら蕎麦を食う。「失敗した、秋の味覚、きのこ蕎麦にすれば良かった」
暫く走ると「○○まで○○km」と観光スポットの案内看板。次の行き先決定。
ちょっとした山を登り駐車場到着。
そこはダム湖の上に掛けられた吊り橋。車では渡る事が出来ない。しかも有料。
以前テレビで金の無駄遣いとして取り上げられた事もある橋だ。
折角来たので300円払い橋を渡る。
山の上なので眺めはまぁまぁ良い。
橋を渡り切ると突き当たり左の奥にダム湖の周囲へ降りられる階段発見。
結構距離がありそうだったが、ロマンスグレーの男性と肌の露出の多い夏のような薄着の
格好したアジア人と思しき女性の妙なカップルが降りて行くのにつられて降りてみる。
途中階段が結構急だったが下まで降りた。ここまで来る人は少ないようだ。
そこはひっそりと静まり返っていた。せいぜい聞こえるのは水鳥が立てる水の音ぐらい。
ダム湖とは言え、山に囲まれ静まり返った湖は神秘さを感じさせる。
これまた何とも言えない雰囲気だ。ここまで降りて来て良かった。
ダム湖周囲を少し歩きその雰囲気を暫し堪能。
上に見える橋がとてもくだらない物に思えた。
陽も傾き始め、山向こうへ隠れてしまう。そろそろ帰ろうか。
帰る為には降りて来た長い階段を上らなければならないという事をすっかり忘れていた。
「行きはよいよい 帰りは怖い 怖いながらも 通りゃんせ 通りゃんせ」